この事例の依頼主
10代 女性
相談前の状況
娘さんがオレオレ詐欺事件に加担してしまい逮捕されたとのことでご相談に来られました。当初娘さんには国選弁護士がついていましたが、対応が悪いため私選の弁護人を探しており、依頼を受けることとなりました。
解決への流れ
事件の悪質性からして身柄解放は困難な事案でした。そこで、少年審判での保護観察処分獲得という目標を見据えて弁護活動を行いました。娘さんは当初、悪いことをしたという認識はあるものの、十分に事件の重大性を認識することができていませんでした。そこで、今回の事件が社会的にどのような影響を与える事件なのか、被害者にどれだけ大きな損害を与える事件かといったことを深く考えてもらうため、可能な限り接見を繰り返しました。また、ご両親とも綿密にコミュニケーションを取り、娘さんが出所後に家族としてどのように支えていくのか、監督体制を整えてもらうように話し合いを何度もしました。また,被害者への謝罪・示談交渉なども同時並行で行いました。このような活動の結果、審判の中で少年の反省が深まっていることや両親の監督体制が整っていることが評価され、保護観察処分を獲得することができました。
オレオレ詐欺の受け子という社会的にも重大な事件のため、少年院送致も考えられる事案でした。少年事件では事件の重大性のほか、本人の反省の深まりや家族のサポートがどれだけ期待できるかといったことも重要な要素となってきます。本件では本人が事件のことを真剣に考え反省を深めることができたこと、両親も娘さんと真剣に向き合いながら出てきたあとの生活を考えてくれたことが良い結果につながったものだといえます。