この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
ある夜、ライブハウスに遊びに行っていた男性グループの中でトラブルが発生した。被告人は、被害者を公衆トイレに連れ込み、顔面を複数回殴打し、さらに壁にその頭を打ち付け、またその身体を殴る・蹴るの暴行を加えた。公衆トイレから出た後も、執拗に顔面・頭部・腕などを殴り、また頭部を灰皿で殴打するなどの暴行を加えた。被告人はその後、逮捕・起訴された。
解決への流れ
逮捕後、警察署に面会に行き、事情を聞くと、事実関係については全て誤りはなく、トラブルのきっかけも、被害者の遅刻という些細な出来事であることが判明。そして被告人は、数ヶ月前に少年院を出てきたばかりであるという。しかも少年院は2回目であった。被告人は本件事件当時、すでに20歳になっていたため、今回の手続きは今までとは異なり成人として裁判がなされることを説明。当然、処分も刑法にのっとって行われる。犯行態様が悪質であり、実に3時間にわたって暴行を行っていること、被害者の被害状況が深刻であること、少年院に2回行っており、今回の事件の数ヶ月前に少年院を出てきたばかりであることなどから、実刑になる可能性も十分にある事件であった。しかし、親族の協力を得て今後は暴力行為を繰り返さないことを本人が誓っていたことから、その点を裁判所にアピール。また、現在の勤め先の社長にも誓約書を書いてもらい、証拠提出。結果、検察官からの懲役1年の請求に対し、判決は、懲役1年執行猶予5年付保護観察というギリギリの判決。本当に、あとわずかで実刑でした。
やってしまったことは、無かったことには出来ない。このため、事実関係は全て争わず、現在の被告人の反省状況や、今、刑務所に入った場合のデメリット等を強調。家族の協力が得られることなどもアピール。これからの未来について、強くアピール出来たことが、執行猶予判決につながったと考えています。