この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
ご相談者は、亡夫から相続した建物を所有していました。その建物の隣のアパートに義弟が住んでいましたが、アパートが台風で倒壊しそうになったため、一時的な仮の住まいとして亡夫から相続した建物を無償で貸すことにしました(契約書なし)。ご相談者は、半年もすれば義弟は出ていくと思っていましたが、1年以上経過しても出て行かず、退去を求めても話合いに応じませんでした。
解決への流れ
義弟の交渉態度からして弁護士として交渉しても結果が変わらないと判断し、即訴訟提起を行いました。訴訟では、「退去時期についての両者の合意内容」が争点となりました。契約書がないため、当方としては不利な立場でしたが、貸借に至った経緯などを証拠と共に丁寧に裁判官に説明したところ、当方の主張が認められ、明渡しを認める判決を獲得できました。
訴訟で明渡しを求める場合、争いのある事実は「証拠」により原告(明渡しを求める側)が立証する必要があります。その意味で、契約書がない場合は原告が不利です。