この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
以前付き合っていた女性(元彼女)から,数年前の暴行・傷害について,被害届を提出されてしまいました。民事の損害賠償請求もあわせて行いたいとのことでした。突然,相手方の弁護士から通知がきて驚きました。全く身に覚えがないというわけではないですが,明らかに大げさな主張ですし,喧嘩をしている途中の出来事で,こちらから一方的に暴行をしたわけではありません。このような場合でも,私が一方的に犯罪に問われることになるのでしょうか。民事の損害賠償請求にも応じないといけないのでしょうか。数年前の事件でも立証されてしまうのでしょうか。
解決への流れ
民事で示談契約(和解契約)が成立しました。金額は,請求額よりもかなり低い金額でした。同種の事件の示談金としては,高過ぎず安すぎない金額とのことで,納得できました。和解契約書の記載で,刑事についても責任追及をしないということを記載してもらったので,安心しました。元彼女に弁護士がついていたので,自分だけで交渉するのは難しかったと思います。また,仮に自分だけで交渉がまとまった場合でも,それを契約書にきちんと残すことはできなかったと思います。依頼してよかったです。和解契約書には,元彼女との連絡をお互いに禁止するという内容も記載したので,その点もきちんと今後のことも考えられていたと思います。
女性側の内部の状況は,はっきりとはわかりませんでしたが,証拠があまり残っていないような印象を受けました。ですので,刑事も民事も正面から争えば,相手方が立証することが難しく,勝てる見込みが大きいと判断し,そのことをお伝えしました。もっとも,以前付き合っていたという人間関係があったので,厳しすぎる対応は望んでいないという現実的な部分と,訴訟や刑事の取り調べに要する時間,手間,費用を考えると,いくらか支払ってでも和解したいという合理的なお考えをお持ちの方でしたので,早期に解決することができました。依頼者の男性のお考えを形にしたような事件でして,弁護士はサポートしただけでした。