この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
警察官になりすまし、高齢者からキャッシュカードを騙し取るという特殊詐欺事案。遠方にいる母親から、大阪在住の依頼者さまが逮捕されてどうしたらいいのかと相談を受けました。さっそく警察署へ向かい接見。休職中だった依頼者さまは、知人からお金を稼げる仕事があると紹介を受けました。仕事内容が特殊詐欺だとわかったので断ろうとしましたが、指示役の男性から脅され、やめることができずに数件の詐欺窃盗を行ってしまいました。
解決への流れ
被害者は判明しているだけでも7名おり、被害総額は700万円以上でした。依頼者さまのご両親と相談し、できるだけのことはしようと、被害者一人ひとりに連絡をとり、5名の方に被害弁償をしました(被害総額の7割以上を弁済)。公判では、指示役から脅迫を受け抜けられなかったこと、被害弁償をした被害者5名から刑事処罰を求めないとの言葉をいただいたこと、犯行に至る経緯に汲むべき事情があること等を主張し、執行猶予判決を獲得することができました。
オレオレ詐欺などの特殊詐欺については、受け子や出し子と呼ばれる下っ端の実行犯についても、初犯であるか否かにかかわらず、実刑判決がされることがほとんどです。本件についても、依頼者さまに前科はなかったものの、被害総額が大きいこともあり、実刑判決がされる可能性が非常に高い事案でした。それでも、被害総額の7割以上を弁済できたことが大きく、執行猶予判決を獲得できました。ご両親には大きな経済的負担となりましたが、依頼者さまの数年の自由と、人生のやり直しを獲得できたことは大きな成果だと考えます。