この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
依頼者様(40代、建築関係、前科前歴なし)が、内装工事のお仕事を請けて女性宅を訪問した際に、同女性に背後から抱きついたとして、被害届が提出された事件です。依頼者様は、内装工事で女性宅にいる間、同女性の身体には一切触れていないにもかかわらず、抱きつくという身に覚えのない暴行の嫌疑をかけられ、相談に来られました。
解決への流れ
依頼者様は、被害者とされる女性と2人きりの間の出来事について、目撃者も客観的証拠も無いのに、どうすれば身の潔白を証明できるのかと、たいそうご不安がられていました。依頼者様からの相談を受け、事件の見通しや弁護活動について説明をした上で、弁護人として選任していただきました。私は、取調べ対応のアドバイスをすると共に、依頼者様は、同女性とはお仕事の関係で従前から面識があり、また事件があったとされる当日の後も同女性とのやり取りがあったことから、依頼者様から当日前後の経緯について詳細に聴き取った上で、証拠を収集し、主張を組み立てていきました。そして、当日前後の客観的事実や当事者間で争いが無いであろう事実に照らし、同女性の供述の不自然な点を主張し、検察官に不起訴処分を求めました。結果として、依頼者様は嫌疑不十分により不起訴となり、身に覚えの無い事件で有罪判決を受けることを回避できました。
一見、身の潔白を示す客観的な証拠が無いように見える冤罪事件であっても、周辺事情から、関係者の供述等の信用性を崩し、疑いを晴らせる可能性があります。身に覚えのない犯罪の嫌疑をかけられた際は、決してあきらめずに、ぜひご相談ください。