犯罪・刑事事件の解決事例
#少年事件 . #交通犯罪 . #加害者

少年によるひき逃げ事件 検察官送致決定を回避して保護観察処分に

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國武 優 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部
所在地神奈川県 横浜市西区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

依頼主様の息子様(10代少年、会社員、前科前歴なし)が、自動車で帰宅途中、横断歩道を自転車で通行中の被害男性に衝突し、必要な救護措置をとることなくそのまま現場を走り去ったという、少年によるひき逃げ事件です。息子様は、後日自ら警察に出頭し、少年事件として立件されることとなりました。

解決への流れ

事故後、息子様の様子や自動車の状況を不審に思ったご依頼主様が、息子様を問いただして事の真相を知るに至り、お二人そろって、今後の対応について当事務所に相談に来られました。相談に当たった弁護士は、ご依頼主様親子が、きちんと本件に向き合って被害者の方にも誠意ある対応を行いたいという意向を持っていたことも踏まえ、早期の警察への出頭・被害者対応への早期着手等について詳細なアドバイスを行いました。結果ご依頼主様方は、その後の対応について全面的に当事務所の弁護士に協力を要請され、当事務所で本件を受任することとなりました。受任後、早急に弁護士は、警察への出頭手配を進めました。突然警察に赴けばよいというわけではありません。事前に警察との間で出頭日時の調整を進め、一方息子様方との間では、事実関係の整理や今後の息子様の監督・身元引受環境の調整を密に行い、それをしっかりと書面化することも行いました。そうすることで、捜査機関からしても、息子様が今後不合理な主張や言い逃れを行ったり、証拠隠滅や逃亡を図ったりといったことをする可能性がないことが確認でき、逮捕の回避に繋がります。本件においても、被害者の方に相当の怪我が生じているひき逃げ事件ということで、当然逮捕が強く予想される状況でしたが、弁護士の活動が功を奏し、最後まで身体拘束を伴うことなく手続きが進みました。そして、被害者の方に対しても、弁護士を介し、息子様方親子が直接対面の上で謝罪をする場を設けることが出来ました。通常、多くは被害者側の意向により、刑事事件の加害者・被害者が直接顔を合わせて謝罪等行えることは少ないです。しかし本件においてはそれが実現したことにより、息子様にとっても、本件の重大さを再認識する機会になったと思います。少年事件ということで、本件は最終的に家庭裁判所に送致されました。家庭裁判所の調査官・裁判官は当初、ひき逃げ事案ということを非常に重く見て、事件を検察官に送致し、成人の刑事事件と同様の手続きに乗せることを検討していました。しかし弁護士は、本件が少年特有の精神的未熟さに起因するところが大きいことや、息子様自身が事件後急速にその内省を深めて精神的成長も遂げていること、息子様の現在の生活状況等や今後予想される進路を踏まえると、一般の刑事手続きに乗ることで息子様に生じる不利益がとても大きいこと、等を熱心に訴え、本件は少年事件手続きの範疇で対応することが適切であるということを主張し続けました。その結果、被害者の方への直接の謝罪が実現している点も大きく評価され、本件は、検察官送致決定を回避し、保護観察処分という結論に至りました。

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國武 優 弁護士からのコメント

当事務所において、未だ事件化されていなかったり、犯人が判明していなかったりする事件について、警察への出頭を検討している方からのご相談を受けることが少なからずあります。中には、ご自身の今後の生活について投げやりな姿勢になってしまっている方、自暴自棄になってしまっている方も見受けられます。しかし、自ら出頭するにしても、きちんと準備をして臨めば、その後の生活への影響も最小限に抑えることが可能です。その後の生活の安定は、被害者の方への賠償の実現やご自身の真の更生にも繋がります。自身の犯してしまったことときちんと向き合いたいのだけれど、具体的にどうしたらよいのか分からない、今後のことが不安で仕方ない、という方はまず一度ご相談にいらして下さい。