この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
依頼者は一般企業に務める女性だったが、朝の通勤途中に交差点を直進したところ、左方から来た被害者車両が突っ込んできて衝突、被害者が死亡してしまった。依頼者はその場で現行犯逮捕された。という事案です。依頼者は逮捕翌日に釈放され、ご家族とともに事務所へ来所されました。そして、被害者が死亡されたことを受け大変憔悴されていました。
解決への流れ
まずは勇気付けとともに事案の聴き取りを行いました。すると、事案としては、民事事件であれば相手方の過失が3割~5割程度認められうる事案であることが分かりました。そして、依頼者はとても良い人で、若干気の弱い部分をお持ちだったので、警察官の誘導尋問等によって必要以上に過失が大きくなるような調書を作られてしまう恐れがありました。そこで、当職からは、弁護士と一緒に取調べの対策をして、捜査機関に事実をきちんと伝えるよう努力するのが有効であるという説明をしたところ、ご依頼となりました。打ち合わせは警察での取調日時が決まった後数回、更に検察庁での取調日時が決まった後も数回、入念に行いました。その上で、当職の携帯電話番号をお教えし、取調べ中に詰められて辛いなど困ったことがあれば連絡できるよう状態を整え、精神面でのサポートも行いました。結果、依頼者は警察・検察ともに事実を正確に伝えることができ、必ずしも依頼者だけが悪い事故ではないという判断のもと、検察は不起訴処分としました。
一般に死亡事故は起訴されるのが通例であるところ、不起訴に持ち込めたのは、丹念な取調べ対応が実を結んだのだと思います。