この事例の依頼主
女性
相談前の状況
仕事を終えた妻が帰宅したところ、夫が自分と子どもの荷物すべてを搬出した上で、子どもを連れ去ったという事案。
解決への流れ
連れ去りの発覚後1週間以内に、子の監護者指定・引渡し、審判前の保全処分の申立てを行いました。夫は、監護実績を獲得するために、別居の数か月前から積極的に子の監護をするなど、用意周到に計画された連れ去りだったため、少しも気を抜けない事件進行でした。調査官調査を経て、裁判所からも妻を監護者として指定する旨の心証が開示されましたが、夫は最後まで難色を示していました。面会交流の条件を充実させることを内容として、調停に代わる審判を出してもらい、無事に任意の引き渡しに至りました。
裁判所が監護実績を重視している印象を受けたことから、妻と子どもの同居中の様子や別居後の面会交流の様子などを丁寧に裁判所に主張しました。保全処分を申し立てていても審判が出るまで半年以上の時間がかかり、その間夫が監護している状態となるので、妻の不安解消のために丁寧なコミュニケーションを重ねました。最終的には、妻に引き渡され、また夫との面会交流も柔軟に実施されることになったので、お子さんにとっても良い結果となったのではないかと感じています。