この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
強制わいせつ致傷で身柄拘束された方の奥様から連絡があり、被害者との示談交渉の依頼を受けた事案です。
解決への流れ
受任当初、検察官から「被害者は絶対に示談しないと言っている。」と連絡を受け、示談書を取り交わした上で不起訴処分を目指すのは絶望的な状況でした。そこで、連日接見に行き、被疑者家族にも事情を説明した上で、情状に関する資料の収集を行うと同時に、被害者に少しで良いから話ができないか、しつこいほど担当検察官に連絡を続けました。数日後、検察官から、示談の話でなければ、との条件付きで被害者の方の連絡先を教えてもらうことができました。やはり当初は話を聞いてもらえない日々でしたが、連日被害者に連絡をし、職場でお会いする機会を頂き、何度も足を運んだ結果、最終的にはご納得いただき、示談書を取り交わすことができました。その結果、不起訴処分により身柄開放が叶い、被疑者は家族と再び一緒に暮らすことができるようになりました。
刑事弁護においては、被害者にとって被疑者の弁護人は敵の代弁者として敵視されがちです。致し方ないことだと思います。ただ、被害者が気持ちをぶつけられる、被疑者への思いを爆発できる相手も弁護人しかいないのではないか、とも思います。弁護人としては、その役割を理解した上で、徹底的に被害者の感情を受け止めることが重要なのではないかと思っています。起きてしまったことはいくら謝罪をしたところで元には戻せません。そうであるからこそ、どうすれば被疑者、被害者の未来が少しでも明るくなるのか、を真剣に考える必要があります。一人で悩まず、是非ご相談ください。