この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
上司のパワハラにより合意退職に追い込まれたとする元従業員から、慰謝料請求と在職時の未払い残業代請求訴訟が提起された。元従業員は、未払い残業代請求において、会社が採用している「事業場外みなし労働時間制」が無効であると主張しており、みなし労働時間に基づかない残業代を請求していた。
解決への流れ
パワハラの論点に関しては、当方が上司の言い分を丁寧に検証し主張を行うことで、パワハラの事実は否定され、慰謝料請求は退けられた。未払い残業代の論点に関しては、当方会社において事業場外みなし労働時間制が採用されるべき事情やモバイル機器が発達している現在でもその事情に変わりがないことなどを主張し、裁判所から「制度は有効」との認定を引き出した。その結果、元従業員のみなし労働時間に基づかない残業代請求は退けられた(ただし、一時帰社して行っていた事業場内労働は残業として未払いが認定された。)。
労働者からの未払い残業代請求は、支払義務が認定されることが多いですが、当然ながら法律上義務のないものは支払う必要性はありません。会社の制度を改めて精査して、正当性を主張することが重要です。