この事例の依頼主
男性
相談前の状況
太陽光発電事業の用地として使用したいという相手方事業者に対し、依頼主は所有する広大な土地の売買交渉を進めておりました。しかし、結局相手方が資金繰りに行き詰まり、売買契約は成約に至らなかったのですが、依頼主は既に数百万円を受け取っていました。相手方から、その全額を不当利得として返還請求する訴えが提起されました。
解決への流れ
訴訟においては、依頼主が受け取った数百万円が交付された趣旨が問題とされましたが、第1審判決では、返還を要しない金員であることが認定され、全面勝訴しました。相手方は控訴しましたが、依頼主が円満解決を希望したので、控訴審で、請求金額の約30分の1の金額だけを支払って解決する旨の有利な和解を成立させました。
依頼主でさえ、売買契約が成約しなかったのであるから、受け取った金員は返還しなければならないのかもしれないと半信半疑でした。実際、はじめに相談した弁護士さんには、勝ち目がないと言われたそうです。しかし、売買交渉当時の当事者間のやりとりを丁寧に分析し、金員交付の趣旨を鮮明にすることによって裁判官の説得に成功し、有利な解決を導くことができました。