この事例の依頼主
女性
相談前の状況
過去に民事事件で依頼を受けた依頼者の方から、配偶者が窃盗罪で逮捕されてしまったとの連絡を受けました。依頼者のご自宅は弊所が所在する東京からかなり離れていたのですが、予定を調整してその日のうちにご自宅へ向かいました。
解決への流れ
警察署で速やかに接見を行ったところ、窃盗をした事実はないとのことでした。そのため、調書の作成に協力する必要は基本的にはないことを伝え、仮に取り調べに応じて調書を作成するとしても内容を確認し、当方の言いたいことがきちんと書かれていないようであれば修正を求めるほか、場合によっては署名押印する必要はないことを伝えました。他方、警察の捜査担当者と接見後に話をして窃盗の事実はないことを伝え、証拠があるならば取り調べの際に被疑者に見せることを求めました。結果として、防犯カメラの画像が出てきたものの、窃盗の事実を確認できるものではなく、警察が店舗従業員の話を鵜呑みにして逮捕に踏み切ってしまった事案であることが分かりました。警察に対して抗議するとともに、今後、身体拘束を継続するのであれば、全ての手続において解放に向けた対応をしていく旨伝えました。結果として、それ以上手続が進むことは無く、釈放され、刑事責任に問われることもなく事件は終了いたしました。
本来、逮捕にあたっては相当の嫌疑があることが前提となっているはずですが、稀に行き過ぎた逮捕に出くわすことがございます。本件の逮捕も、拙速な判断が生んだいわば誤認逮捕であると言えるところです。民事事件において依頼者の方のみならず、配偶者の方の人柄も存じ上げていたため、いつも以上に「そんなはずはない」という姿勢で弁護に臨みました。身体拘束が継続すれば、ご家族が心配することはもちろんのこと、お仕事にも支障が出てしまいます。そのため、身体拘束からの解放に向けた弁護活動では、でき得る限りのことを行い、簡単にあきらめずに取り組むようにしております。