この事例の依頼主
女性
相談前の状況
離婚を請求する側(依頼者側)が不貞行為をした事実があり、離婚請求の訴訟とは別に、相手方から不貞の相手に対する慰謝料請求訴訟が進行していました。別居期間は、離婚訴訟を提起した時点で2年あまり、未成熟子(成人年齢に達しているかではなく、まだ経済的に自立できていない子のこと)がいました。ただし、相手方にも暴言(モラハラ)などがあったという事案です。
解決への流れ
裁判所でのやりとりが終結する時点で別居期間が3年あまりとなったこと、更に、離婚により相手方が過酷な状況におかれることはなく、有責配偶者である依頼者からの離婚請求が信義則に反しないとして、離婚請求が認められました。相手方が控訴(離婚という結果を不服として、上級裁判所である高等裁判所へ改めて判断を求めること)したものの、棄却(訴えを受けた裁判所が審理した結果、その申立てに理由がないとして請求を退けること)されました。
いわゆる「有責配偶者からの離婚請求」という事案で、訴訟提起時の別居期間が2年超えとやや短く、未成熟子もいたため、判決により離婚が認められる可能性は正直なところ良くても五分五分と考えていました。そこで、「依頼者が有責だとしても、ここまで過酷な状況におかれることは不合理」「むしろ相手方の理不尽な攻撃が婚姻関係を破綻させている」というスタンスで厚く主張したところ、裁判所が離婚を認めてくれたという事案です。一見不利な裁判でも、具体的な事情や主張の組み立て方によって希望していた解決に導くことができると感じた事件でした。