この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
事業用に建築された建物の軒先から雨漏りがし,その補修のために壁を剥いでみたところ,設計図書と異なる部材が使用されていたことなどを理由に,工務店が損賠償請求を受けました。店舗として使用していた建物なので,補修のために事業を休業しなければならない期間の莫大な営業損害も付け足されていました。
解決への流れ
本件建物は,新築から7年を経過していました。建物は日々劣化が進みますから定期的なメンテナンスが不可欠です。数年ごとの定期点検や一定程度経過した時点でのリフォームが必要とされており,本件建物は定期点検を怠った結果招来したものである可能性が疑われました。また,使われていた部材は,設計図書とは異なるけれども,より強度が高くより高価なものが使われていたことが判明しました。これらのことが分かるにつれて,原告の怒りも納まり,何か所かの補修費用は被告側が負担するけれども,営業損害を含むその他の損害は負担しない内容の和解が成立しました。
事前の交渉もなく,いきなり訴状が届いたため,依頼者も感情的になっていました。場合によっては構造計算書を作成する必要まで生じかねない言い争いになりかけましたが,裁判の期日を繰り返しているうちに,お互いの言い分を受け入れることができるようになったようでした。