この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者「バーで飲酒していた際,見知らぬ男たちが喧嘩をしていたので,止めようとしたところ,ケンカをしていた男の仲間に突然殴られたため,何発も殴り,被害者が倒れて起き上がったあとも殴ってしまいました。」
解決への流れ
弁護士「検察官は,被害者がケガをしていることなども考慮して起訴しました。外国人であったため,海外逃亡のおそれなども考慮して,パスポートを弁護士が預かる,あくまで日本人の身元保証人を探すなどし,否認している外国人の事件であるにもかかわらず,保釈が認められました。また,裁判では,まずは依頼者の暴行と被害者の怪我の因果関係がないことを争い,検察官に傷害罪からより軽い暴行罪の主張に変更させました。また,過去の主要裁判例をすべて洗い出し,正当防衛を主張し,裁判で認められ,無罪判決となりました。」
外国人の否認事件であったため,通訳人の都合がつかなかったときでも,英語で伝えたいことをノートに書いて見せるなどして,粘り強く事件の背景を探ることに努めました。また,お互いが殴っている事案であると,裁判所としては喧嘩であると評価して,どちらも処罰する傾向にありますが,本件は喧嘩の事例ではなく,正当防衛が認められることを,過去の主要裁判例をすべて調査し,主張しました。