この事例の依頼主
20代 女性
相談前の状況
ある芸能系の仕事の方が5ちゃんねるのスレッドで誹謗中傷を受けておられ,仕事に支障が生じてしまっているとのお話でした。
解決への流れ
5ちゃんねるの複数の投稿について投稿ログを保全依頼の上で開示の仮処分を行い,開示された投稿ログから判明した複数のプロバイダに発信者情報開示請求や開示訴訟を行い,投稿者の氏名住所を開示させ,示談交渉を行い,複数の投稿者に今後再発防止の誓約をさせるとともに賠償金を獲得しました。一部投稿者は被害者の知人であり,今後の関係にも配慮した対応を行いました。
インターネットの投稿の特定は,プロバイダで通信ログの保存期間が経過してしまうと困難となってしまいます。今回の件は投稿がされて期間が経っていない時期であり,特定ができた例です。また,投稿者の特定に至るには複数のプロバイダが介在しており複数の手続きを行う必要があるケースも多く,目的の達成には一定のハードルがあり,時間と手間を要します。投稿者の特定まで至った場合には,後は投稿者の属性にもよりますが,一般の金銭の請求事件に多少の配慮をすれば解決ができる,弁護士としては比較的容易な法律事務となります。なお,手間がかかるだけ投稿者の特定と賠償を達成するまでの弁護士費用は決してお安くはなく,絶対に投稿者の特定ができる保証があるわけでもありませんので,金銭面だけ考えると必ずしも得ではないケースが多いです。金銭的損得よりも再発防止や毅然とした姿勢を示すことを重視したい方に特にお勧めの対応です。