この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
自身が勤務する会社の社長がワンマンであるなどといった批判的なコメントを5ちゃんねるや転職会議等の掲示板に匿名で投稿していた方からの相談。ある日突然プロバイダから発信者情報開示請求に係る意見照会書が届いてしまい,会社が自身の投稿を問題視しており,身元を特定して損害賠償請求などをしようとしていることが判明。このままでは会社を首になりかねないがどうしたらよいかとご相談いただきました。
解決への流れ
該当の投稿が会社に対する名誉棄損になるか,なる場合・ならない場合に意見照会書にどのような対応をしたらよいかが問題となりました。弁護士が投稿について違法性を検討し,違法ではないといった反論も可能であると考えられたため,該当の投稿が違法ではないことを説明する弁護士の意見書を添付して意見照会書は不同意でプロバイダに対し回答をしました。その結果,開示請求についてプロバイダの判断で不開示となり,氏名住所が会社に伝わることはありませんでした。
ネットの掲示板への投稿は皆さん気軽にされますが,名誉毀損や信用棄損,プライバシー侵害,名誉感情の侵害,著作権侵害など,知ってか知らずがさまざまな違法を犯してしまう場合があります。ネットには多数の読者がいることを常に意識し,コメント対象の相手が読む可能性も考えて,オフラインでいわないようなことはオンラインでも書かないことが大切です。もし問題になってしまった際は,弁護士までご相談ください。弊所は被害者側だけでなくやってしまった側の弁護も積極的に行っており,例えば名誉毀損では内容の公共性,目的の公益性,内容の真実性の要件を満たせば投稿が違法ではないといえるケースがあり,最大限の弁護をさせていただきます。なお,やってしまったことがどこからどうみても違法としか言えない場合は,示談の代行も承ります。時に謝るべきは謝るということも大変大切なことです。