この事例の依頼主
10代
相談前の状況
暴行などを理由に,子供が突然逮捕されたとの相談でした。暴行を複数回行ったことは事実のようでしたが,普段は温和な子どもであったため,なぜ暴行を働いてしまったのか原因が全く分からない状態でした。また,少年(少年事件の場合は,男女問わず「少年」といいます。)は「反省したし,もうやらないから少年院に行きたくない」と言って,反省を口にはしておりましたが,少年院に行くことを避けるために発している様子であり,反省も深まっていないと見受けられました。
解決への流れ
ほぼ毎日面会を行い,非行(犯行)をしてしまった原因を調査官とも連携し探求・分析し,過度なストレスがかかった際に,知人から誤った情報を聞き,そのストレス発散のために非行(犯行)に及んでしまったことを明らかにしました。また,非行(犯行)に及んでしまった原因について,少年に教えるのではなく,少年自身に原因を考えさせ,過ちの元を気が付かせるとともに,調査官・少年と連携して対策を検討して裁判所にアピールした結果,保護観察処分となりました。気が付かせ,今後の対策などを具体的に考える等した結果,少年院送致を免れた。
少年事件において大切なことは,少年本人に事件の重大さを認識させて反省を促すことと,事件を起こしてしまった原因を少年自身に気が付かせ,今後二度と事件を起こさないように具体的な対策を考えることです。そして,事件の原因を突き詰めるには,少年との信頼関係を築いて十分に面会を行うことと,少年の家族や調査官(事件や少年の性質を調べるための裁判所の職員)との連携が不可欠です。この事件では,依頼時に,少年の両親から少年の性格などを聞き取り,少年の性格に合わせた面会対応をし少年との信頼関係を早期に樹立し,調査官とも頻繁に情報交換をし,事件の原因を突き詰めるとともに,少年自身にその対策を考えさせました。結果,少年院相当と考えられた事件でしたが,少年院送致を免れることができました。(のちに担当裁判官と話した際,当初は少年院送致にしようと考えていたそうです。)このような対応をするには,事件発生後できるだけ早く少年と会い,少年の性格・生活環境などを早期に把握する必要があります。そのためにも,お子さんが事件を起こしてしまった際には,できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。