この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
相談者は、建築会社の社長様。注文者から施工した工事に瑕疵があるとクレームを受けており、今後どのように対応するべきかについて相談を受けました。
解決への流れ
相談者から事情を聞き、現場の様子を確認したところ、注文者から建築瑕疵として訴訟を提起された場合には、相談者側が敗訴する可能性が高いと考えらました。そこで、相談者に対し、瑕疵の補修工事を行うべきであるとアドバイスしました。その結果、相談者が瑕疵の補修工事を実施し、注文者との間でそれ以上のトラブルとなることなく円満に解決した。
本件と類似の事件では、瑕疵の主張をする注文者を抑え込むことを希望する相談者もいるかもしれません。ただ、それは、本件においては、瑕疵が明白であった以上、適正な解決ではありません。また、仮に、注文者が建築瑕疵として裁判を起こせば、敗訴した場合に要する相手方への損害賠償金の負担、裁判のための弁護士費用の負担、担当者の裁判準備のための人的な負担を強いられる可能性が極めて高い状況でした。このような結果を避けるため、本件では、相談者にとっては、一見すると不利益に見えるようなアドバイスをさせてもらいました。もし、この相談者様が事前に相談されることなく、補修工事を拒否していれば、裁判となり多額の損害を負担することとなったと思われますが、そのような結果を回避できたのは、弁護士と相談者との信頼関係があったからこそだと考えております。