この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
依頼人は、妻と長男(小学生)・二男(幼稚園児)の4人暮らしでしたが、夫婦仲は険悪化しており、これまで妻から度々「離婚する。家から出て行け。」と言われていました。ある日の晩、長男と二男が兄弟喧嘩を始め、長男が二男を殴りそうになったので、二人の間に割って入り、戒めのため長男の頭を2~3発叩いたところ、長男の頭に瘤ができました。これを見た妻は、依頼人を家から追い出すよいチャンスが訪れたとばかりに、長男を病院に連れて行って診断書を取り、警察に対し依頼人が長男を児童虐待していると嘘を言って被害届を出したため、依頼人は傷害罪で逮捕されました。警察からの電話により、当事務所に刑事弁護をご依頼いただききました。
解決への流れ
依頼人と接見して事情聴取した結果、逮捕されるような事案でないことが判明したので、検察官宛に釈放上申書を書いて提出したところ、検察官から「被害者(妻)から被害届の取下があれば釈放できる。」との電話連絡がありました。そこで、被害者に電話をかけ、「旦那さんは釈放されても家には戻らないから、被害届を取り下げて欲しい。」と依頼しましたが、拒否されました。かくなる上は妻の親に頼むしかないと考え、妻の親に電話をかけ、「被害届を取り下げるよう娘さん(妻)を説得して欲しい。」と依頼しました。妻の親が娘(妻)を説得したところ、妻は勾留7日目でようやく被害届を取り下げてくれ、依頼人は釈放されました。但し、依頼人は家に戻れないので、当面ウィークリーマンション暮らしをすることとなりました。
粗暴犯事件(暴行・障害等)は、警察は被害者の供述だけで逮捕してしまい、一旦逮捕勾留されると、10日間(逮捕期間を含めると12日間)は釈放されません。本件は、被害者の被害届取下がなかったら、勾留10目で罰金30万円位の刑になっていたでしょう。