この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
約10年前に職場の上司から暴行・脅迫を受けて強制的に姦淫され、その後も職場での上下関係、暴行・脅迫による畏怖が続いていることを利用して、約7年にわたり性的関係を強制し続けられ、そのことからPTSDに罹患してしまった事案につき相談を受けました。何件も弁護士事務所を回ったそうですが、約10年前からの事件であり時効の問題や、証拠の散逸により刑事告訴は困難であるとの理由から、弁護士への委任もできない状態だったそうです。
解決への流れ
相談を受けた段階では、証拠の収集もさることながら、そもそもの犯罪事実の特定が極めて難しいと感じました。そのため、まずは何度も相談を重ね、いつ、どこで、どのような行為があったのかを丁寧に確認しました。次に、刑事告訴の受理には警察との早期の連携が必要であったため、犯罪事実をある程度特定した後にすぐに警察に相談し(東北地方であり遠方でしたが、今後の活動の方針や具体的内容を決定するには早期相談が不可欠でした。)、捉えるべき犯罪事実を共有し、時効の問題をクリアできていることを確認し、また、当該犯罪事実の立証に必要な証拠、被害者側でどことまで証拠を揃えれば刑事告訴を受理してもらえるのかを確認しました。そして、警察での相談をもとに、警察の指導の下に告訴状及び証拠となる陳述書の作成等を行い、告訴状が受理されました。
相談を受けた段階では、その証拠関係から刑事告訴は相当に難しい事案であると感じその旨を依頼者に説明したものの、被害があまりに甚大であり泣き寝入りさせるべきではないと感じ、可能性は低いかも知れないがとにかく動いてみようということになりました。全ての事案がそう上手くいく訳ではないですが、諦めずにわずかな可能性にかけて、依頼者と信頼関係を築きながら動いてみることが重要なのだと改めて感じさせられた事案でした。