この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
依頼者は15年ほど前から消費者金融3社に借金があり、収入が減ったため約束どおりの支払が遅れがちになりました。うち1社は、10年ほど前に裁判所を通じて支払督促が申し立てられたため、以後収入が多い時だけ支払っていました。残り2社は、7~8年前までは時々返済していましたが、以後は収入が減って支払ができなくなりました。最近になって、最初の1社から貸金請求の裁判が起こされ、残り2社からも支払を催促する通知が届くようになりました。依頼者の借金は3社合計で400万円を超えるため、自己破産するしかないと思い悩み、相談に来られました。
解決への流れ
依頼者の支払状況を確認したところ、7~8年前に支払を止めた2社については、その後全く支払をしておらず、貸金請求の裁判も起こされていないことが確認できました。そこで、5年の消滅時効が成立し、支払義務がないことを内容証明郵便にて通知しました。他方、裁判を起こされた1社については、支払督促後も支払をしていた時期があったため、消滅時効の主張は困難と判断し、依頼者の支払可能額を確認の上で、長期分割の和解案を打診しました。その結果、依頼者の月々の支払可能額の範囲内で、5年間の長期分割の和解が成立しました。結論として、消滅時効を主張した消費者金融からは請求がなくなり、残り1社の約80万円の借金だけとなって、自己破産をする必要がなくなりました。
消費者金融からの借金では、長期間支払をしていない業者や、その業者から権利を取得したとする回収会社から、突然支払を催促する通知が届くことがあります。そのような場合には、慌てて連絡をせずに、まずは弁護士に相談することで、消滅時効の主張をして借金から解放されるケースが多くあります。本件でも、3社のうち2社は消滅時効が可能でしたので、実質的に借金は1社だけが残ることとなり、ご本人の収入状況をふまえた長期の分割弁済の和解が可能となりました。結果として、「自己破産するしかない」との依頼者の思い悩みを取り払い、借金整理ができたことで、依頼者から大変感謝されました。