この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
会社の方針に少し意見を述べたところ、会社の方針に合わないから明日から来なくていいと言われました。労基署のアドバイスにしたがい、30日分の解雇予告手当と解雇の理由の説明書を出すように求めたところ、自分から辞めるなどとは一言もいっていないのに退職に合意したはずと言われました。
解決への流れ
すぐに賃金仮払いの仮処分を申し立てました。裁判所は退職合意があったという会社の主張は全く相手にせず、会社側も給料の6か月分の支払いには応じると提案がありましたが、全く非がないのにその程度の金額では納得できないと拒否。会社側は復職を命じてきたので、相談者には労働組合に加入してもらって、一旦復職するとともに、団体交渉を申し込んで、労務管理の不備を追求することにしました。そうしたところ、1回目の団体交渉の直後に相談者の提案していた金額を全面的に受け入れる1年半分の解決金を支払うことで解決しました。
解雇したというと、紛争になるというのは会社もよく知っているため、合意退職したと主張する事案は良くあります。しかし、裁判所は書面により退職届がない限り、会社の主張を認めることはほとんどありませんので、さほど心配する必要はありません。労働事件を戦う上で一番大切なのは本人の戦う意思です。本件は、本人の戦う意思が強かったために結果的に短期間で比較的高額の解決をすることができました。私は、本人が徹底的に戦いたいと希望するのであれば、労働組合等とも連携し、徹底的にサポートします(勿論、早期の解決を希望するのであれば、それはそれで対応いたします。)。