犯罪・刑事事件の解決事例
#欠陥住宅

施工業者が工事遅延で引渡期限までに完成見込みがなかった事案における、弊所での対応事例。

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仲宗根 朝洋 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人法律会計事務所さくらパートナーズ沖縄オフィス
所在地沖縄県 北谷町

この事例の依頼主

男性

相談前の状況

相談者は、念願のマイホームとして、施工業者に建物新築工事を依頼。土地の購入資金併せて1億円近い銀行借り入れのなか、施工業者には、既に請負代金の9割近くを支払いました。契約上は、工事の進捗状況に応じてその都度分割払いという約束でしたが、施工業者からの再三のお願いを受けて支払ってしまいました。建物完成による引渡期限は既に3ヵ月も過ぎていますが、工事の進捗度合いは40%程度。現場に来ていた下請業者さんに話を聞いてみると、下請業者さんへの支払が遅延しているとのこと。先生、今の施工業者では念願のマイホームが完成するのか、不安です。どうすればよいでしょうか。

解決への流れ

そのような相談を受けた弊所は、今後起こりうるリスクパターン(①そのまま完成しないリスク、②一応完成はするがいつ完成するかはコントロールできないリスク、③その他)を説明。そのうえで、弊所では、相談者に対し、上記①~③に応じた法的対応策など説明し、あとは相談者の判断においてどの対応策を取るのか(もちろん何もしない現状維持含め)を決断してもらいました。本件の相談者は、①を想定して、施工業者との請負契約を解除。その後、他の施工業者に新築工事の引継ぎをしてもらう新たな請負契約を締結し、何とかマイホームは完成しました。なお、相談者は、問題の施工業者に対しては、40%分の工事出来高部分を除く支払済みの請負代金を請求するとともに、新築建物完成と引渡が遅れたことにより、1)余分な賃貸借コスト、2)新たに依頼して業者さんに支払った請負代金のうち(値上がりなどにより)多額の支払うことになったコスト、などの損害賠償も請求することとしました。

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仲宗根 朝洋 弁護士からのコメント

本件では、問題となっているという現状を前提として、相談者の方は、不確実な将来状況を踏まえつつも、別の信頼できる業者において新築工事を進めてもらうという前向きな選択をしました。もちろん、その選択自体は、既払請負代金等が返金されないリスクを負うこととなりますが、本件では問題の施工業者が倒産しなかったこともあり、多少譲歩をした金額にて残請負代金等を回収できました。なお、倒産リスクがあったとしても、問題の施工業者に預貯金債権や(他の現場の)請負代金債権があり、その情報を入手していれば、それを(仮)差押えするなどの裁判手続を通じて、早期に事実上の回収をすることもあり得たでしょう。