この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談者が投資目的で賃貸していた物件を売却したいと思い、賃貸借契約期間の満了をもって、賃借人に明渡を求めたところ、賃借人に拒否されたため、ご相談に至りました。
解決への流れ
賃貸借契約の更新拒絶には正当事由が必要で、今回のご相談の場合、明渡を要求することは困難でした。もっとも、賃借人がいたままでも不動産の売却自体は可能(いわゆるオーナーチェンジ)なうえ、今回投資利回りが重要であったため、賃料増額を目指す交渉に切り替えました。これにより、月額の賃料収入による利益が増加するのみならず、投資物件の場合、賃料利回りを基準に不動産の売却価格が判断されることも多いため、売却価格増額にもつながります。最終的には、賃料増額調停を行い、周辺の相場と比較しても低額であった賃料を約10%増額という結果となりました。
明渡というご依頼であれば、本件は結果を出すのが難しく、もしかしたら他の事務所では依頼を断られる可能性もあった事案かと思います。弊所では、ご相談者の要望(投資利回りの増加)をきちんと聴き取り、それを実現する方法として、明渡交渉のみならず、賃料増額交渉をご提案し、今回、賃料増額という解決に落ち着きました。また、不動産明渡においては、賃料が同程度の別不動産の準備が必要となったり、賃料増額においては、近隣相場の調査や不動産鑑定が必要となることもあります。この場合、不動産業者や鑑定士との連携は不可欠です。弊所は、このようなつながりもありますので、各交渉においては、具体的な物件や近隣相場の資料を提示することにより交渉を強く進めることが可能でした。