犯罪・刑事事件の解決事例
#建物明け渡し・立ち退き

突然の「出て行ってくれ」、でもまだ住んでいたい【明渡請求・賃借人側】

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寺田 弘晃 弁護士が解決
所属事務所神楽坂総合法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

70代 女性

相談前の状況

ご相談者は夫のご両親と、両親の家で同居し、介護など身の回りのお世話をしていました。夫のご両親はそのことを考慮して、相談者ご夫婦をただでその家に住まわせていました。また、ご両親の他界後、夫の存命中は、建物はそのまま使用していましたし、その後夫が亡くなった際も、夫の兄は、今までのこともあるから建物をそのまま使用していてよいとご相談者に言っていました。しかし、その後夫の兄は、突如としてご相談者に明渡しを要求し、建物に急に入ってくる等して、ご相談者の生活に支障が出てしまい、ご相談となりました。

解決への流れ

親族間の口約束が本件建物の使用の根拠となっているため、賃貸借契約として対抗することが難しい状況でした。そこで、使用貸借の目的や期間、さらには、留置権や信義則等の内容を盛り込んだ内容証明を送付し、とりあえず、ご相談者がご存命の間は、無償で利用を継続することとなりました。

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寺田 弘晃 弁護士からのコメント

日本では諸外国に比べ、契約を書面に残さないことが多いことが知られていますし、それが親族間であればなおさらです。このケースはその最たる例といえるでしょう。当事者同士では意見がかみ合わなかったり、事実認識が異なったりしますし、法的にどのような権利を主張できるのかわからず、うまく交渉ができないこともあります。この点、弁護士が間に入ることで、交渉を整理し、相手に自分の意見を傾聴してもらうことが可能となります。また、本件のような場合、夫の兄としては、心情的にも、コスト的にも強制的にご相談者を立ち退かせることが難しかったと思われます(仮に、強制的に立ち退かせる場合、数十万円の費用がかかる場合もあります)。そのため、仮に継続使用の交渉がうまくいかない場合でも、引越代等の交渉も可能だったのではないでしょうか。弊所では明渡事案もこなしているため、ご相談者の利益を図りながら、相手方との交渉が可能であり、上記のような結果に至ったと思われます。