この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
ご依頼者様が経営するヘルスケア会社は、集客用にHP作成をウェブ会社にご依頼されましたが、当該業者の製作する試作ページは、質・速さともに悪いものでした。そこで、ご依頼者様は、当該制作契約の解約をご希望され、その方法に関して当方へご相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
当該ウェブ制作契約は、契約書上、理由なく解除することも可能なものでしたが、その場合、高額な違約金が必要となるものでした。そこで、当方は、当該時点での相手方の作業量(試作ページは定型情報を入れた簡易な物で実質作業時間はほぼないことが見込まれた)や打ち合わせ状況・作業進捗も把握したうえで、相手方の作業状況がご依頼者様の会社に対する債務不履行に当たりうることも指摘しながら、違約金なく解約することが妥当であることを相手方と交渉し、違約金なしの解約を合意するに至りました。
単純に法律論や契約書の条項だけ見ると、困難な要求であったとしても、相手方と交渉し、納得してもらうことでご希望を実現できることもあります。その際、相手の立場に対する配慮や実情の把握・理解は不可欠です。本件では、相手方の実質作業が少ないこと等を指摘したうえで、本件については口外しないこと等を提案する等相手方に配慮しながら話し合いを進めたことで、当方の納得する結論を得ることができました。もっとも、もし、ご依頼者様が契約締結段階で、実際の作業工程に関するスケジュール感を相手方と詰めたうえで、違約金の設定等についてもきちんと確認し、契約書を作成していたら、本件は特に問題なく解消できたかもしれません。そう考えると、本件は、トラブル発生前に相談できる弁護士事務所があることの大切さを痛感させる案件であったともいえます。そのため、ご依頼者様は当該案件後、当事務所と顧問契約を締結するに至りました。