この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
賃貸アパートの大家さんからの相談です。6世帯が入居可能なアパートでしたが、賃借人の一人が、度々、他の賃借人の方とトラブルを起こしたり、夜中に大きな物音や大声を上げたりするため、借主が定着せず、アパートは常に空室がある状態となっていました。そこで、ご相談者様は、迷惑行為を続ける賃借人の方との賃貸借契約を解除し、退去してもらいたいと考えていましたが、ご相談者様や不動産会社の方がいくら立退きを求めても、その賃借人の方は、解除に応じず、絶対に立退きに応じようとしないため、ご依頼をいただき、裁判を起こすことになりました。
解決への流れ
裁判においても、相手方の賃借人の方は徹底抗戦をし、当初は、頑として賃貸借契約の解除の解除を認めず、立退きに応じようとしませんでした。しかし、不動産会社の担当の方や他の賃借人の方とトラブルの状況を詳細に聴き取り書面化したり、アパートの空室状況の推移などを一覧にするなど、迷惑行為の立証に工夫を重ねたことにより、訴訟は優位に進み、最終的には、裁判官の勧告により、相手方も賃貸借契約の解除を認め、強制執行の労力や費用をかけることなく、任意の立退きが実現しました。
相手方の賃借人の方に賃料の未払いはなく、他の明確な契約解除事由が無かったため、他の賃借人の方とのトラブルや夜中の物音や大声という、客観的な証拠が残りにくい迷惑行為の立証が難しい事案でした。しかし、一つ一つは見過ごされてしまうような小さな迷惑行為でも、根気強く積み重ねていくことにより、詳細で説得力のある主張をすることができます。長年にわたり空き室が埋まらず、多大な経済的な損失を被っていたご相談者様が、解決後には心からほっとしたご様子であったのを、とても嬉しく覚えています。