犯罪・刑事事件の解決事例
#過失割合 . #慰謝料・損害賠償 . #死亡事故

賠償額が約3.4倍超に

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荒木 裕史 弁護士が解決
所属事務所浅井・荒木法律事務所
所在地長崎県 長崎市

この事例の依頼主

70代 女性

相談前の状況

高齢の被害女性が、夜間、車の通りが多い車道を、横断歩道を使わずに横断している途中で、普通乗用車と衝突し、死亡したという事案でした。当初、保険会社は、被害女性に落ち度が大きいことなどを理由に、670万円の支払額を提示してきました。

解決への流れ

私は、被害女性の遺族の方から依頼を受け、遺族の代理人となり保険会社と示談交渉をしました。示談交渉の段階で、保険会社は、やはり女性の落ち度が大きいことを主張していました。私は、刑事事件の記録を取り寄せる等の証拠を集め、また事故が起きた時間に現場に行き、現場の状況等を詳細に検討したうえ、裁判所に損害賠償請求の訴訟を提起しました。訴訟の中で、加害者の代理人となった弁護士は、被害女性の落ち度が大きいことから、少なくとも50%は被害女性に過失があると主張してきました。これに対し、私は、加害者の運転時の言動、現場の状況(横断歩道と被害女性が横断した場所との位置関係、夜間とはいえ現場は明るかったこと)を丁寧に説明し、また、道路交通法についても検討を行い、加害者に過失が大きいこと、被害女性の過失は小さかったことを主張して争いました。裁判所は、私の主張をかなりの部分で認め、被害女性には7.5%の過失しかなかった(加害者に92.5%の過失があった。)ということで、遺族全体が受領すべき額が約2300万円であることを前提に、和解を行いました。金額の点も大きいのですが、過失の点においても、亡くなった被害女性の名誉を守ることができて、良かったと思います。

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荒木 裕史 弁護士からのコメント

交通事故においては、保険会社との示談交渉の段階でも、弁護士が代理人になるかどうかで、保険会社の提案してくる示談額が異なります。また、示談交渉で納得のいく提案が出ないときは、裁判所で訴訟を行うことになります。訴訟においては、事前の証拠集めと、現場の状況の検討、文献や法令の調査等に基づく丁寧な主張・立証が鍵になります。このあたりは、やはり知識と経験のある弁護士とそうではない弁護士で、大きな差が出るところだと思います。