この事例の依頼主
80代以上 男性
相談前の状況
依頼者の方は、お子さんが3人いましたが、長男には、それまで教育資金や事業資金などたくさんの援助を行っていました。そこで、長女と二男に多くの遺産を相続させたいとのご希望で、遺言書の作成を依頼されました。
解決への流れ
依頼者の方の現時点での財産を算出し、これまで長男に援助してきた財産の概算を算出してもらい、長男にわたる予定の相続財産とそれまで長男が受けてきた援助額との合計と、長女、二男が受け取る相続財産が同程度になるように、遺産の振り分けを行い遺言書を作成しました。なお、遺言書は、後に依頼者の方が亡くなられたあとに、子供達の間で紛争とならないよう公正証書で作成するとともに、子供達の間で、相続額に差を設ける理由を付記しました。
様々な事情から、相続人が受け取る財産に差をつけたいと考える方は、多いです。そのときに重要になるのが、自分の死後に相続人間で争いが起きないように配慮することです。紛争を防ぐためには、遺言書をしっかり公正証書で作成しておくこと。遺言の理由を遺言書に記載しておくことなどが効果的です。公正証書ではない自筆の遺言書の場合には、本人の意思に反して、無理矢理書かされたものだなどと言われることもありますし、遺言書が知らない間に破棄されてしまうなどの危険もあります。公正証書の場合には、このようなリスクを回避することができます。