この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
依頼者様と配偶者だった者とは,離婚をすること自体には争いはなく,離婚に付随する各事項についても概ね合意していました。ただ,口約束では,後々言った言わないと揉めてしまう可能性があるので,離婚協議書を作成したいということでした。依頼者様が特にこだわっていたのは,養育費の定め方でした。
解決への流れ
お二人の間では,概ね合意できていたとはいえ,細かい事項については合意形成はできていませんでした。そこで,協議書を作成するにあたって,この事項(例えば養育費)の定め方については,A案,B案,C案とがあります。それぞれの違いは,これこれです。依頼者様にとってはA案の方が有利だと思います,と説明をしました。そうして,一つ一つの条項の定め方の意味を説明した上で,依頼者様の意に沿う離婚協議書を作成することにしました。
離婚に付随する事項を当事者で協議できるのであれば,協議離婚を考えるべきでしょう。しかし,協議離婚をする場合も,後々で言った言わないと揉めない為にも,離婚に付随する事項の取決めを,離婚協議書にしたためておくことが重要です。依頼者様らは離婚協議書を作成することを考え,かつ,その作成を弁護士に依頼することを考えられたのですが,非常に賢明だったと思います。なぜなら,自分たちの意に沿った離婚協議書を作成するには,法的知識が不可欠であり,弁護士に任せた方が間違いがないからです。現在,離婚協議書の雛型がインターネット上にあふれ,それをダウンロードして離婚協議書を作成されている方々もいるようです。しかし,雛形はあくまでも雛形です。各当事者の事情に沿った内容ではないはずです。にもかかわらず,雛型のまま,または,それを一部修正したかたちで離婚協議書を作成してしまうと,後々にこんなはずではなかったと後悔したり,後々に紛争になりかねません。契約の拘束力を軽視するべきではありません。今回,依頼者様の考えをお聞きして,できるだけ早期に,かつ,依頼者様の意に沿う内容での離婚協議書を作成させていただきました。ありがとうございました。