この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
パチンコ店で他人の財布を置き引きしたことが発覚し、防犯カメラの映像等から、後日、犯人と特定されて逮捕されてしまいました。その翌日、勾留された段階で私が弁護人に選ばれました。彼には家族があり、早急に身柄解放することと起訴を免れることが目標でした。
解決への流れ
被害者に対し、直ちに検察官経由で被害弁償の意思を伝えました。急いで職場の上司と話し合い、給与を前借して被害弁償金を準備しました。被害者には電話で真摯に謝罪した上で、被害弁償金を急いで準備した旨を伝えたところ、夜遅くなら当日中に会えるとのことだったので、その晩、指定されたコンビニの駐車場へ出向いて被害弁償し、宥恕を得ました。翌日には、家族や職場の上司の陳述書等を揃えて裁判所に対し勾留取消請求を行いました。結果的に、検察官が任意に釈放してくれることになり、前科があったにもかかわらず起訴猶予となりました。
被害弁償や示談の申し入れは、早いに越したことはありません。かつ、弁護人が物理的な意味で「動く」ことが大事です。弁護人が必死であることが伝われば、被害者の方もその気持ちを汲んでくださることは多いです。身柄解放に関しては、妥協せず裁判所や検察官に意見を述べることが大事です。この件では、被害弁償が済んだことに加え、仕事上の必要性や、家族や職場の上司の監督の実効性を具体的に説明しました。早急に動き始めることの重要性を再認識させられた事件でした。