この事例の依頼主
70代
相談前の状況
依頼人は、代々所有する土地を賃貸していました。借地人が亡くなったため、その相続人が、依頼人に対し、借地権を買い取ってほしいと話を持ち掛けてきました。
解決への流れ
私は、依頼人から交渉の委任を受けました。まずは買取を拒んで借地を返還してもらうことを検討しましたが、提携の不動産鑑定士に意見を求めたところ、利便性のある住宅地であり、借地人が第三者に借地権を譲渡しようと思えばできる土地でした。そこで、依頼人と協議をし、知らない第三者に借地権を譲渡されるよりは、地主自身が借地権を買い取り、その後の処分方法を自由に決めた方がよいとの判断に至りました。その上で、借地人側の提示する金額では高額に過ぎると考え、当該土地の形状や借地契約の経緯など、本件の特性を考慮した上で、適正と思われる買取価格を提示しました。結果、相手方が当初提示していた金額よりも、実質半分以下の買取価格で合意に至りました。そして合意に基づき、借地人に建物を解体してもらい、土地の返還を受けることができました。
借地契約の終了は、経済的にも複雑な問題を伴うことがあります。地主、借地人ともに、借地契約の終了が話題に上る前に、専門家に一度相談することをおすすめします。