この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
宿泊したホテルの対応が悪かったことから,クレームをつけ,自分の要求を通してしまった。自分としては,少し強めのクレームを付けてしまったという程度の認識で,無理やり自分の要求を通したというつもりはなかった。まさか,これが犯罪に当たるとは思っていなかった。ところが,数ヵ月後に強要罪で逮捕され,勾留されてしまってどうしたらいいかわからない。仕事もあるので,早く釈放してほしい。
解決への流れ
捕まっている警察署に駆けつけて,被疑者ご本人から詳しい事情を聴いたうえで,被疑者の行為が強要罪に当たるものの,長期間の勾留は適切でないと判断しました。そこで,釈放に向けた活動にすぐに取り組みました。被疑者ご本人には,反省文・謝罪文の作成してもらいました。被疑者のご家族や仕事関係の方とお話して,釈放後の身元引受人にもなってもらう約束を取り付けました。検察官・裁判官とも面接して勾留が必要ないことを説明し,身体拘束に対する不服申し立て(勾留や勾留延長に対する準抗告)を行いました。結果的にこれが認められて,被疑者の身体拘束が解かれ,釈放されました。その後も,検察庁に対する活動を継続して,最終的にはその事件は不起訴となって解決しました。この事件では,身体拘束中(勾留中)に,被疑者のお父さまが亡くなってしまいました。被疑者ご本人が葬儀への出席を強く望んでいらっしゃったこともあり,勾留の手続きを一時的に解く手続(勾留執行停止の申し立て)も行い,これも認められました。
被疑者ご本人や関係者から聞いたお話からすると,犯罪には当たる行為はしていましたが,証拠隠滅したりや逃亡したりする可能性は低く,身体拘束が適切とは言えない事案でした。そこで,刑事弁護活動の方針としては,とにかく身体拘束からの解放を第一に考えて事件に取り組みました。逮捕・勾留からの解放というのはなかなか難しいのですが,粘り強く活動し,早期の釈放を実現することができました。依頼者の方やご家族からは,身体拘束から解放された際に感謝の言葉を頂戴しました。