この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
インプラントの手術を受けた後通院を続けておられた患者さんが、次第に鼻の詰まりや痛みを感じるようになったことから、別の歯科医の診察を受けたところ副鼻腔炎との診断を受け、耳鼻咽喉科の専門病院に入院し手術をすることになった、ということで相談を受けました。
解決への流れ
インプラントを行った歯科医からカルテの開示を受け精査したところ、カルテの記載や画像検査結果等から、インプラント埋入の時点で上顎動へ交通が生じたため副鼻腔炎を発症したと考えられました。また、カルテからは副鼻腔炎の発症により早期に気づくべきであったいくつかの所見が見られたにもかかわらず、他院で診断されるまで副鼻腔炎への対処を行わなかったことも問題とわかりました。その結果を踏まえ損害賠償請求を行い、訴訟前の勝訴的和解で解決となりました。
インプラントの際、上顎骨の厚みが十分でないなどの理由で、上顎洞との交通が生じてしまうことがあります。そのことに早めに気づき対処ができていれば、本件の様な重度の副鼻腔炎に至ることは避けられた可能性が高かった事案でした。