この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
「業務上横領で逮捕,勾留されました。事実関係は認めており,刑事責任を取ることも覚悟をしているのですが,その前に一度保釈を得て,身辺整理なども行って,服役をしたいと考えています。」との相談を受けました。残念ながら,逮捕・勾留という被疑者段階では,保釈という制度はありません。起訴された後に保釈請求をすることができ,裁判官が保釈を認めるかどうかを判断することになります。本件でも,起訴後,直ちに保釈請求を行うことなりました。
解決への流れ
起訴予定日を確認後,それに向けて,保釈保証金の原資の確保,身元引受人の手配,本人の誓約書を手配しました。本人に書いてもらうべき書類は,書き方も指導し,身元引受人にも直ちに面談して意向確認の上,書面の作成に応じてもらいました。起訴後,満を持して,保釈請求をしましたが,保釈請求が却下されてしまいました。弁護士としても,保釈が認められるべき事案であると確信をしていましたので,直ちに保釈却下決定に対して準抗告(不服申立て)をしました。すると,準抗告が認められ,逆転で保釈が認められることとなりました。保釈保証金を裁判所に納めると,すぐに依頼者が留置されていた警察署に迎えに行き,そのまま家に帰ることができました。
保釈請求が却下となったときには「えっ」と思いましたが,保釈されるべき事案であると確信がありましたので,迷わず,準抗告という手続を取りました。ちょうど年末の事件であったのですが,年内に保釈されたので,年末年始は家族で過ごすことができたようで弁護士としても良かったと思っています。なお,保釈保証金は,後に行われる裁判において有罪であろうと無罪であろうと,被告人が逃亡等さえしなければ判決の内容に関係なく,返金されます。