犯罪・刑事事件の解決事例
#覚醒剤・大麻・麻薬 . #加害者

一部執行猶予付き判決の獲得

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飯田 貴大 弁護士が解決
所属事務所県民合同法律会計事務所
所在地千葉県 千葉市中央区

この事例の依頼主

男性

相談前の状況

依頼者は,覚せい剤自己使用の前科(服役歴あり)が複数ある方でした。今回の事件も覚せい剤の自己使用の事実で逮捕,勾留され,起訴されることが見込まれる事案でした。事実関係については,争いはなく,情状関係での主張立証をするという情状弁護の方針で弁護活動をすることを決めました。とはいえ,同種前科があること,服役歴もあることからすれば,今回も相当期間の服役が想定される状況でした。弁護人としては,刑期を短くするということはもちろん,再犯を防止するためにどのような手立てを講じるか,検討することとなりました。

解決への流れ

被疑者には黙秘権という重要な権利があります。何を話し,何を黙秘するかについては,弁護人が判断するのがベストであると考えます。本件では,争いのない事件であるということから,事実関係については全て取調官に話すように指示しました。覚せい剤の入手経路などについても話すようにしましたが,その内容が調書になると困ると依頼者は話していました。そこで,調書には書かれなくてもよいので,取調官に話すことはまではするように指示しました。また,裁判では,依頼者の兄弟の方に情状証人として証言してもらえるように依頼し,了承を得ました。起訴後の裁判では,被告人質問において,前回以前の裁判でも反省しているはずであったが,今回また覚せい剤を使用したことについて,前回までとはどのような点で決意が違うのかを明らかにしました。また。取調べにおいて,覚せい剤の入手経路についても取調官に話したことについて具体的に説明してもらいました。さらには,情状証人は,依頼者が社会復帰後に家族として再び温かく迎え入れるという証言をしてくれました。上記の事情を裁判官が判決においては考慮した上で,本件は一部執行猶予付き判決となりました。依頼者自身も予想外の結論であったのか,大変喜んでいました。

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飯田 貴大 弁護士からのコメント

薬物事件については,その再犯率の高さが各方面から指摘されています。実際,薬物事件の依頼者は前科前歴がある方が多く,弁護人としても再犯防止のためにとることのできる手段を考えているところです。今回は,一部執行猶予付き判決を獲得できましたが,刑務所内での薬物犯罪に関する再犯防止のプログラムを受講すること,一部執行猶予中の保護観察で継続的に再び薬物に手を出さないことの意識付けを図れること,家族の見守ってくれることを依頼者本人に分からせることがポイントであったと思います(判決理由でも述べられていました。)。公訴事実を争わない事案であって,かつ,量刑上,実刑を免れないと考えられる事案であっても,やるべきことはあることを改めて実感した事件でした。