この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
依頼者は20代半ばの頃、父親の借金を返済するためにクレジット会社からキャッシングしたことが借金の始まりだった。その後結婚し、借金の返済により生活が苦しくなり、借りては返すを繰り返す日々が続いた。7年前に過去に完済した消費者金融に対し過払金返還請求をし、約400万円の過払金の返還を受けたが、職場のストレスから飲酒やギャンブルに興ずるようになり、借金はどんどん膨らんでいった。借金額は1700万円にもなり、どうしたらいいのか分からず相談に来られた。
解決への流れ
借金の主な原因は飲食やギャンブルなどの浪費によるもので、自己破産の申立をしても裁判所で免責されないおそれがあった。しかし、借金の始まりは病気で会社を退職した父親の借金を代わりに返済するため借り入れたもので、結婚後は妻に借金のことを隠し続けながら、生活費や返済のため借り入れを繰り返しており、仕事も転職して収入が減っており、到底返済できる金額ではないため、自己破産を選択した。その結果、管財手続に移行し、20万円の予納金を収め、その後裁判所から免責を許可された。
自己破産を申し立てる人には、ギャンブルなどの浪費が原因で借金が膨らんだ人が多く、免責不許可事由にあたることが多い。このような場合でも、例えば浪費に至った遠因に酌むべき事情があったり、本人が反省して今後は二度と浪費を繰り返さないことを誓っている場合、裁判所の裁量で免責されることがある。免責不許可事由があるため、管財事件となり費用も余分にかかったが、免責決定が出て、自己破産の申立をして良かったです。