犯罪・刑事事件の解決事例
#暴行・傷害 . #強盗 . #加害者

裁判員裁判で,強盗致傷の共同正犯として起訴されたが,恐喝と傷害の幇助犯が成立するにとどまるとされ,執行猶予を勝ち取った事例

Lawyer Image
西村 隆志 弁護士が解決
所属事務所西村隆志法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

20代 男性

相談前の状況

依頼者(被告人)は,知人ら数名と協力して,被害者から現金を奪い,負傷させたとして,強盗致傷罪(無期または6年以上の懲役刑)で逮捕,勾留されており,その父親からの依頼で,弁護活動を開始しました。依頼者(被告人)は,何らかの暴行などはするかもしれないとは思っていたが,強盗をするとは知らなかった,自分はその場にいただけなどの主張していました。なお,強盗致傷罪は裁判員裁判対象事件ですので,裁判は,一般の方が裁判員として参加する裁判員裁判で行われました。

解決への流れ

関係者の供述がそれぞれ食い違い,なにが事実かが判断しにくい事案でしたが,それぞれの供述を詳細に分析し,また,依頼者である被告人の供述が信用できることを裏付けることができる証人を探し出し,協力を求めることができました。この証人による裁判所での証言が有力な証拠となり,依頼者である被告人の主張が一部認められ,判決では,強盗致傷の共同正犯ではなく,恐喝(10年以下の懲役)及び傷害(15年以下の懲役または50万円以下の罰金刑)の幇助犯(手助けをしたにすぎない場合の犯罪,正犯に比べて,刑が減刑される)と認定されて,結果的に,執行猶予を勝ち取ることができました。

Lawyer Image
西村 隆志 弁護士からのコメント

強盗致傷罪は,最低でも懲役6年ですが,執行猶予は3年以下の懲役刑でなければつかないため,強盗致傷罪の共同正犯と認定されていれば,まちがいなく執行猶予はつかず,実刑(刑務所に収監される)になっていた事案でした。依頼者である被告人の主張を信じ,様々な証拠を詳細に粘り強く検討し,有利な証拠(証人)を見つけ出し,それらをうまく利用した主張を行うことがてきたことで,一般の方である裁判員や裁判官にこちらの主張を認めてもらうことができたと考えています。刑事裁判では,弁護人と被告人とが信頼関係を築くことが重要であり,それができなければ,被告人の主張をうまく引き出すことも,有利な証拠を見つけ出すことも難しいと思われます。そういう意味では,信頼できる弁護人を選任することは非常に重要であるといえます。