犯罪・刑事事件の解決事例
#覚醒剤・大麻・麻薬

大麻約3.7㎏もの大量密輸事犯。関空警察への毎日の接見で不利な供述調書の作成を回避するとともに、有利な情状立証により執行猶予を獲得した事例

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中西 哲也 弁護士が解決
所属事務所中西哲也法律事務所
所在地大阪府 大阪市中央区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

カナダから関西国際空港に入国する際、大麻草3694グラムをスーツケースにいれて密輸しようとしたところ、税関職員に発見された。

解決への流れ

Nさんの親は事業を営む資産家で、顧問弁護士がおられたが、刑事弁護は得意でないということで、その弁護士から依頼があった。関空警察への連日接見が必要となることが予想されたため、その弁護士と私、それから、私が懇意にしている2人の刑事を得意とする2人の弁護士の4人で受任した。密輸した大麻の量が大量であり、またNさんは外国での大麻吸引歴が複数あり大麻吸引の常習性が疑われていたことから実刑の可能性が高い事案であった。そのため、弁護士4人で交代で、毎夜、関空警察に通って接見し、取り調べ内容を確認し、必要以上に不利な供述調書が作成されないよう、取調べの監視とアドバイスを続けた。公判では、自宅を訪問して、生活状況や趣味嗜好等を調査して常習性がないことを立証する証拠を作成したり、治療歴を調査して証拠化するなど、有利な情状の証拠化に努力した。検事は論告で「このような大量の大麻の輸入は実刑以外にありえない」と主張し、「懲役4年」の実刑を求刑したが、判決は、「懲役3年、保護観察付き執行猶予5年」で、まさに、ぎりぎりで実刑を回避することができた。

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中西 哲也 弁護士からのコメント

「保護観察付き執行猶予5年」という量刑は、まさにぎりぎり実刑を回避できた、ということであり、必要以上に不利な供述調書が作成されていたり、情状立証がうまくできなければ、実刑になってもおかしくない事案であった。やはり、捜査段階での弁護活動のあり方が公判の結論を左右したといえる。本件は、幸い4人の弁護人を選任してもらえる資力のある依頼者であったが、もし、私ひとりで選任されていたとしても、ほぼ毎日、接見したはずである。