この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者である被疑者が自動車を運転して親族と一緒に商業施設に買い物に行ったところ,その親族が商品を万引きしてしまい,全くそれを知らない被疑者がその親族を乗せて車を発信させようとしたところ,駆けつけてきた警備員が依頼者のことを万引きの共犯者であると考えて逮捕しようとしてきて,被疑者がそれを振り払ったところ,事後強盗の容疑で逮捕されてしまった事案でした。
解決への流れ
完全な冤罪事案なのですが,その親族において過去に同様の万引きをして逮捕された経歴があり,その経歴については被疑者も一定程度は知っていました。捜査機関側としては,被疑者が被害品を持ったままの親族を乗せて車で帰宅しようとしたことは,その親族が万引き犯人であると知って乗せて一緒に逃走しようとしたものではないかと考え,被疑者に対し,その親族が万引きをしようとしていることを知っていたのではないかといった方向性や,あるいは薄々感づいて協力したのではないかといった方向性で自白を獲得しようとしていました。最終的には無事,20日間の勾留で不起訴釈放を勝ち取ることができました。
誤った自白が獲得されてしまうおそれがありますので,まず捜査機関側に抗議するとともに,毎日の接見で取調状況を逐一確認し自白してしまわないよう被疑者のメンタルへの配慮に努めました。その一方,全面的に黙秘することで正式裁判になって事案が長期化するリスクを避けるため,被疑者と当職で入念に打合せを行い,事件当日の被疑者の行動及び認識について可能な限り詳細な事情を整理し,被疑者において絶対にぶれずに全ての事情を説明できるよう認識を深め,取調で不安なく一貫した供述をしていただくことで,捜査機関側においてこれ以上被疑者を犯人扱いすることを断念してもらい,無事,20日間の勾留で不起訴釈放を勝ち取ることができました。