この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
借地を売却したいが地主が承諾してくれない。付近一帯は同じ地主の土地で、周囲は他の借地人が同じ地主から土地を借りて平屋建ての家が集まっている。というご相談でした。依頼者の借地はそのブロックの一番奥にあって、通路もせまく法律上家の建て替えも出来ない(借地の価値が低い)状態でした。
解決への流れ
借地の売却自体は、裁判手続き(借地非訟事件)で解決できます。しかし通路が狭いため、法律上建て替えが難しく価値も低いものでした。そこで地主側と交渉し、周囲の借地人も巻き込んで、最終的に、周辺の借地人にセットバックしてもらい通路を拡幅することによって、一番奥にあった依頼者の借地の価値を高めて、高額で地主に買取ってもらうことができました。依頼者にも、周辺の借地人にも喜ばれ、地主にもメリットがありました。
単に譲渡承諾の裁判をして解決、ではなく、全体を見渡して何が最適な解決法であるかを考え、それに向かって努力したことが実ったのがポイントでした。周辺の借地人は複数いて、公道に面した方と比較的奥にいた方に分かれ、通路を拡幅することによるメリットがそれぞれの立場で違った点が交渉上、難しかったです。また地主の方の感情的な反発が当初ありましたが、交渉を続けて行くうちに理解されました。