この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
ご子息が窃盗の疑いで逮捕され、ご両親がご相談に来られました。ご事情をお伺いすると、息子様は執行猶予中であるとのことでしたので、次に判決を受けた場合、執行猶予が取り消され実刑判決を受ける可能性が非常に高い事案でした。
解決への流れ
すぐにご依頼を頂き、その日に警察署へ接見へいきました。本人は被疑事実を認めており非常に反省をしている様子で、きちんと更生して再出発したいという意思も示していました。当職は接見後、まず被害者に対し賠償をさせていただき、同時に示談交渉を行い不起訴処分を獲得するという方針をたて、仮に起訴された場合には再度の執行猶予の判決を獲得できるように被疑者の環境調整、更生のための計画書等を作成することにしました。残念ながら被害者との示談をすることはできず起訴されてしまいましたが、すぐに保釈請求を行い身柄拘束を解いた後は、本人、家族、他の専門家などと繰り返し協議を行い、本人の更生支援の計画書を作成し、裁判所に提出。また、本人の更生のために家族の協力を得られることが可能であることも併せて主張しました。結果、裁判所は本人の更生を社会内で行うべきであるとして、執行猶予中であるにもかかわらず再度の執行猶予判決を下しました。
刑事事件の迅速な対応が必要であると再認識した事案でした。裁判所には刑務所での矯正教育よりも社会内での更生を図ることが望ましいという点を的確に主張し、実務上難しいと言われる再度の執行猶予判決を得られ、結果としても非常に良いもので終わりました。事件後、本人が近況の報告を兼ねて来所してくださり、元気な姿を見られたのがとても嬉しかった事件です。