この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

地主が、敷地の入り口に、アルミ製パイプなどを用いた柵を作り、土地の利用を妨害しているという相談でした。どうやら、借地権の更新に関するトラブルが発展したようです。かろうじて、人の出入りができる隙間はあります。しかし、車の出し入れはできず、相談者は、やむを得ず、近隣の知り合いの庭先を借りて車を置いているとのことでした。

解決への流れ

これは、いわゆる「自力救済の禁止」に違反するケースで、こうした実力行使は、違法です。直ちに構築物の撤去を求めて裁判所に妨害排除の仮処分を申し立て、その手続きの中で、地主と和解をすることができました。

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米村 哲生 弁護士からのコメント

土地や道路に関するトラブルが発展し、道路や敷地を塞いで自力救済を図るような事態にまで発展するのは、よっぽどのことです。とはいえ、私にもいくつかの経験があるくらいですから、このようなケースは、しばしば発生しているのではないかと思います。速やかに、弁護士に相談をすべき事案でしょう。そういえば、道路を塞いでしまった側から相談を受けたこともあり、確かに、気持ちも分からなくはありませんが、それは明らかな違法行為です(すぐにやめるようにアドバイスしました)。実は、こうしたケースの多くは、ここに紹介したような借地を巡るトラブルや、道路や土地に関するトラブルが背後に控えています。例えば、私道の位置指定や通行権、導管工事のための掘削許可、境界争いのような問題です。ですから、単に妨害行為をやめさせるというだけではなく、その背後にある大きな問題の解決を目指さなければ、本当の意味での解決にはならないということになります。