この事例の依頼主
40代
相談前の状況
都内でテナントビルの賃貸業を営んでおりますが、ずっと賃料額を変えていなかったので最近の賃料相場とずいぶん開きが出てしまいました。これからビルの維持管理にすごくお金がかかってきますし、税金も上がっているので正直今の賃料額だとビル経営が苦しいです。そこでテナントに賃料の増額をお願いしたいのですが、話が拗れて裁判になるケースもあると聞き、どのように話を進めたらよいのか全くわからなくて困っています。適正賃料額の計算も難しくて自分では手に負えません。
解決への流れ
不動産鑑定士に適正賃料額を査定してもらい、それをベースに弁護士さんがテナントと交渉しました。非常に専門的な内容でしたが、弁護士さんから賃料増額の理由をわかりやすく説明してもらい、テナントに納得してもらうことができました。また、テナントとはこれからも長いお付き合いになりますので、関係が悪化しないよう円満に話を進めてもらえて大変助かりました。
賃料交渉は初動対応が非常に重要です。安易に増額請求をしてしまうと、協議が難航して調停や訴訟になった場合に不利な立場に置かれる可能性があります。多少コストはかかりますが、適正賃料額について不動産鑑定士に査定してもらう等、確実な見通しと戦略に基づき交渉を進めて行くことがポイントです。また、賃料交渉はオーナー・テナント双方の業績変動や事業計画による影響を受けやすい分野で、双方の希望額に大きな開きがあっても、契約期間や保証金、将来賃料等のその他の条件を調整することで早期解決に至るケースは珍しくありません。上記の解決事例も当初は交渉の難航が予想されましたが、テナント側の事情を汲み取り柔軟に対応したことで早期の合意成立に至ることができました。