この事例の依頼主
40代
相談前の状況
相談者は,自宅として土地建物を購入しましたが,付属の倉庫は近くの店舗経者に賃借に出していました。倉庫の賃借人とは前所有者の頃からトラブルがあり,前所有者は所有者変更を機に契約解除を申し出ました(法律上解除権が発生するような事情はない)が賃借人が拒絶していました。
解決への流れ
建物明渡と予備的に賃料増額を求めて交渉開始しました。相手方に代理人がつきましたが全く譲歩の気配はありませんでした。簡易裁判所に調停を申立後も譲歩はなく,相手方本人の出頭もありませんでした。事情からすると裁判に移行しても明渡が認められる余地は少ないと考えられたので,賃料の増額請求にシフトして,最終的には依頼者の満足する増額による調停が成立しました。
建物明渡と賃料増額は,理論的には矛盾するので調停申立時に裁判所と何度かやり取りをして申立方法を工夫しました。建物明渡も,賃料増額も裁判上認められるであろう水準よりも依頼者の意向が高かったので何とか調停で合意できてよかったと思います。