この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
依頼者は,アパートを経営する方でした。アパートの一室に騒音のうるさい方がおり,隣室の住民ともトラブルが絶えない,いくら注意しても改善の兆しが見られないと途方に暮れておられました。
解決への流れ
裁判所に持ち込んで法的に出て行ってもらうというのは難しそうな事案だったので,交渉で対応することにしました。直近の賃貸借期間の満了が近かったので,法的構成としては更新拒絶ということで代理人として通知書を送付しました。解決の見通しとして裁判所には持ち込まず交渉での解決が最善だったので,立ち退き料の算定や,引っ越し先の確保のため不動産業者の紹介なども含めた交渉を行いました。結果的には,当初想定していた立退き料より低額で転居してもらう事ができました。
本件では,交渉,仮処分,訴訟といった方法が考えられましたが,具体的事情を踏まえ,最善と考えられる方法を選択しました。騒音トラブルについては,受忍限度,立証,要する期間などの問題から裁判所に持ち込んでも見通しが厳しい場合もあります。このような場合には交渉での解決が重要になってきます。交渉では,相手方の意向やメンツを尊重しつつこちらの希望する解決に導くための高度のスキルが必要になります。本件では,相手の立場も考えたうえでの対応に心を砕いたので,一定の譲歩を得ることができ,何より迅速な解決が実現しました。