この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
酒気帯びでの人身事故の事件で執行猶予付きの懲役刑となった事案について,控訴審から受任して弁護しました。被告人は公務員で,懲役刑の判決が確定すれば,それが執行猶予付き判決でも失職してしまうという事案でした。
解決への流れ
弁護人の作成した控訴趣意書において,事件記録を精査して記録を検討した結果,本件事故原因が被告人の一方的な過失によるとの認定に誤りがあり,被害者側にも過失が認められる事案であることを指摘した点が,高裁でも概ね認められて,さらに失職すれば,これまでの子どもへの学費などの援助が出来ない事態となって,子どもの将来にも大きな影響を与えかねないとして,地裁判決を破棄して,被告人に罰金刑の判決がなされた。
検察官の提出した証拠を十分に吟味して,それを踏まえてなされた地裁判決に誤りがないかを精査した結果,地裁判決の問題点を見つけることが出来ました。家族の協力を得て行った,被告人が失職した場合の家族の具体的な不利益の立証も非常に効果があったようでした。弁護人としてその役割を果たすことができました。証拠を詳細に検討することの重要性を改めて確認した事件でした。