犯罪・刑事事件の解決事例
#交通犯罪

酒酔い運転で人身事故を起こし、逃走したが、執行猶予を獲得できた事例

Lawyer Image
秀﨑 康男 弁護士が解決
所属事務所福岡フォワード法律事務所
所在地福岡県 福岡市中央区

この事例の依頼主

10代 男性

相談前の状況

ご相談者は、飲み会での飲酒後、車を運転して自宅に帰る途中に、走行していた対向車に衝突し、全治1か月以上の傷害を負わせてしまいました。また、衝突後に、ご相談者は逃走したところ、目撃者が追いかけてきたため、現場に戻りました。その後、警察に逮捕されました。そのため、危険運転致傷罪、道路交通法違反(酒酔い、救護義務違反)という、非常に重い罪名が被疑事実となってしまいました。

解決への流れ

危険運転致傷罪は、基本的に、執行猶予がつかない非常に罪が重い罪名です。「アルコール(又は薬物)の影響により正常な運転が困難な状態」であり、これを認識している必要があります。本件では、アルコールの影響はもちろんあったのですが、同時に睡眠不足であった可能性もありました。そこで、取り調べの際は、アルコールの影響も否定はできないが、睡眠不足の影響もあったことを丁寧に捜査機関に説明するようアドバイスしました。その結果、起訴時には自動車運転過失致傷罪に罪名が変更され、無事に執行猶予判決を獲得することができました。

Lawyer Image
秀﨑 康男 弁護士からのコメント

検察官は、「アルコール(又は薬物)の影響により正常な運転が困難な状態」であることを立証できなければ、危険運転致傷罪は認定できません。そのため、弁護人としては、アルコール以外が運転に影響を与えた可能性を検証し、「アルコール(又は薬物)の影響により正常な運転が困難な状態」であったと断定するには合理的な疑いが残ると主張していく必要があります。本件では、起訴時に罪名変更になった点が、判決に与えた影響が非常に大きいと考えられます。また、被害者への賠償は、被疑者が加入している保険会社任せにせず、弁護人が直接被害者に謝罪に行った点も評価されたのではないかと思います。